◎陸軍が消防・警察の活動を支援し、北部の寸断された道路などで復旧作業に当たっている。
2023年8月4日/スロベニア、首都リュブリャナ郊外の地区(Gregor Ravnjak/AP通信)

スロベニアの広い範囲で大雨による洪水が発生。被害総額は5億ユーロにのぼると見積もられ、同国史上最悪の洪水被害となった。現地メディアが5日に報じた。

ゴロブ(Robert Golob)首相は5日に開かれた緊急閣議の中で、「3日と4日に発生した洪水により、国土の3分の2が影響を受け、被害総額は5億ユーロにのぼる可能性がある」と明らかにした。

またゴロブ氏は今回の洪水を「スロベニア史上最大の自然災害」と評し、多くのインフラや民家が被害を受けたと述べた。

報道によると、消防は全国でこれまでに4人の死亡を確認したという。

消防は4日に3人の遺体を収容。5日には首都リュブリャナで1人の遺体が発見された。4人の死因と身元は明らかにされていない。

洪水は4日の集中豪雨で急拡大し、複数の河川で越水が確認された。気象台によると、多くの地域で平年1~2カ月の雨量が1日足らずで降ったという。

ゴロブ氏は閣議の中で、「道路やエネルギーインフラが特に大きな被害を受け、数百戸の家屋やその他の建物が浸水したと報告を受けている」と述べた。

それによると、リュブリャナを含む都市部では数千人が避難を余儀なくされたという。

陸軍が消防・警察の活動を支援し、北部の寸断された道路などで復旧作業に当たっている。

地元メディアによると、リュブリャナと地方を結ぶ主要道路などが部分的に通行止めとなり、数十の橋が崩落したという。被害の全容は明らかになっておらず、中央政府と各自治体は市民に不要不急の外出を控えるよう呼びかけている。

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