パキスタン北部土砂崩れ、死者8人に、12人行方不明
パキスタンの雨季は7月から9月末頃まで続く。
.jpg)
パキスタン北部ギルギット・バルティスタン州の山間部で発生した土砂崩れと洪水について、地元当局は25日、行方不明になっている12人の捜索エリアを拡大したと明らかにした。
事故は州北部の高速道路沿いで21日に発生。複数の車が巻き込まれ、救助隊が重機を使って行方不明者を捜索している。
地元メディアによると、12人はいずれも観光客とみられる。
救助隊はこれまでに8人の遺体を収容した。
州政府の報道官は25日の声明で、「少なくとも12人の観光客が土砂に飲み込まれたとみられ、救助隊が24時間体制で捜索・救助に当たっている」と述べた。
国家防災管理局(NDMA)は捜索範囲を拡大。すぐ近くを流れる川とその周辺にも重機を投入した。
またNDMAはパキスタンと中国を結ぶ高速道路が寸断されたことで、物流に影響が出ていると指摘。早期の復旧を目指すとしている。
政府は現地に陸軍と投入し、孤立した集落から300人の観光客をヘリで避難させ、その後、軍用機で主要都市に送った。
気象台によると、今月の全国の雨量は例年の約2倍に達したという。
パキスタンの雨季は7月から9月末頃まで続く。
パキスタンは気候変動の影響を受けやすい国のひとつである。北部の広大な氷河が溶けることで川の水位が上昇。雨季は温暖化の影響でより長く、より強力になった。
NDMAによると、6月26日以降、大雨に関連する災害で250人近くが死亡、500人以上が負傷したという。
国土の3分の1が水没した2022年の大水害では1739人が死亡、200万戸以上の家屋が損壊した。