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世界の再生可能エネルギー発電割合50%に、太陽光が牽引 2025年


2025年の再生可能エネルギーの伸びは、主に太陽光発電が担った。
ソーラーパネル(Getty Images)

国際再生可能エネルギー機関(IRENA)の最新データによると、2025年末時点の再生可能エネルギーによる世界の電力設備容量は約5149ギガワット(GW)に達し、全体の約49.4%を占めた。これは前年から692GWの増加で、特に太陽光発電の著しい伸びが全体の成長を牽引したことによる。

2025年の再生可能エネルギーの伸びは、主に太陽光発電が担った。太陽光の設備容量は前年から511GW増加し、総計2392GWとなった。この急増により、太陽光は引き続き世界最大の再生可能電源となった。また、風力発電も159GW増加し、総計1291GWの設備容量を記録した。

これらの増加は石炭やガスといった化石燃料による電力設備の増加を大きく上回る。2025年における化石燃料の電力設備容量の増加は約116GWにとどまり、再生可能エネルギーの成長の勢いがいかに強いかを示している。

再生可能エネルギーが占める設備容量の割合がほぼ半分に達したことは、長期的なエネルギー転換に向けた大きな節目といえる。これは国際社会が2023年のCOP28で合意した「2030年までに再生可能エネルギー容量を3倍にする」という目標に近づく動きでもある。IRENAの事務局長は、2025年の増加分がこの目標に向けた前進を示していると述べている。

一方で、設備容量と実際の発電割合は必ずしも一致しない。設備容量は電源が理論上発電可能な最大出力を示す指標だが、太陽光や風力の発電量は天候や時間帯によって変動するため、発電量そのものとは異なる。とはいえ、2025年の前半には再生可能エネルギーが実際に世界の電力供給においても重要な役割を果たしているとのデータもある。電力系シンクタンク「ember(エンバー)」の集計では、2025年前半の再生可能エネルギーによる発電は世界の総発電量の約34%を占め、石炭を上回った。

この背景には、再生可能エネルギーのコスト競争力の向上がある。近年、太陽光や風力発電の設備コストは急激に低下しており、多くの地域で化石燃料を用いた電源よりも安価に電力を供給できるようになっている。特に太陽光発電はモジュール価格の低下や設置技術の進化、各国政府による導入支援策などが重なり、導入が加速している。こうした動きは再生可能エネルギーの戦略的価値を高め、エネルギー政策の中心的役割を果たしつつある。

また、地政学的な影響も再生可能エネルギーの成長を後押ししている。中東の紛争などによって石油・ガス価格が変動する状況では、再生可能エネルギーを多く導入している国ほどエネルギー価格の変動リスクに強いとの指摘がある。専門家はこうした不安定な世界市場の中で、クリーンエネルギーがエネルギー安全保障の観点からも重要性を増していると指摘する。

しかし、達成すべき課題も残っている。2030年の目標に向けた成長率は引き続き高い水準が求められており、現状の成長ペースを維持・加速するには各国の政策支援や技術革新、電力網の強化などが不可欠だ。再生可能エネルギーの導入が進む一方で、発電量の変動を補う電力貯蔵技術の整備や送電インフラの近代化といった課題への対応も求められている。

一部の国や地域では、再生可能エネルギーの導入に成功し、電力網全体における比率が高まっている。例えばウルグアイなどでは再生可能エネルギーが電力供給の大部分を占め、化石燃料と比較してコスト面でも競争力を持つケースも報告されている。

世界全体では電力需要の増加が続いている。データセンターやAI関連技術の普及にともない電力需要は長期的に拡大しており、その需要増加に対応しながら再生可能エネルギーをさらに拡大していく必要がある。こうした複雑な構図を背景に、再生可能エネルギーは単なる環境対策ではなく、経済成長とエネルギー安定供給の両面で重要な役割を担うものとなっている。

専門家は再生可能エネルギーのさらなる普及に向けて、政策面の支援や市場の基盤整備、国際協力の推進が不可欠だと強調する。特に電力インフラの柔軟性を高め、変動する再生可能電源を効率的に統合する技術の開発・導入が今後の重要な課題である。

2025年の実績は、再生可能エネルギーが世界の電力システムにおいて中心的な地位を確立しつつあることを示しているが、2030年に向けた道のりには依然として多くの課題が残されている。今後の成長がどのように進展するかが、気候変動対策とエネルギー政策における重要な焦点となるだろう。

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