◎ポルトガルはここ数年、大規模かつ悲劇的な森林火災に見舞われている。
2022年7月8日/ポルトガルとスペインの国境近く、消火活動に当たる消防士(EPA通信)

ポルトガル政府は10日、中部から南部の広い範囲で発生した山火事について、総動員体制で消火活動に当たっていると報告した。

公共放送RTPによると、これまでに消防士12人と市民17人が軽傷を負い病院に搬送されたという。

政府は10日午後の時点で消防士3000人以上と消防飛行機30機が現地に派遣されたと報告している。

消防によると、火災は干ばつと熱波に見舞われている複数の地域で発生したという。火元は明らかにされていないが、RTPは極度の干ばつによる自然発火の可能性が高いと報じている。

EUは10日、消防航空支援プログラムを発動し、ポルトガルに部隊と支援物資を送ると発表した。EU高官によると、隣国スペインは消防飛行機2機を派遣したという。

ポルトガルはここ数年、大規模かつ悲劇的な森林火災に見舞われている。2017年の山火事では100人以上が死亡した。

コスタ(António Costa)首相は今週予定していたモザンビーク訪問を延期し、山火事対応に全力を挙げるとしている。

レベロデソウザ(Marcelo Rebelo de Sousa)大統領もニューヨークの国連本部で予定されていた会合への出席を急遽キャンセルした。

EUの気象当局によると、南ヨーロッパでは先月、国土の96%が「極度の」または「深刻な」干ばつに分類された。

ポルトガル政府は9日、全国の警戒態勢を「厳戒」に引き上げ、15日まで維持するとした。一部地域には避難指示が出されている。

ポルトガルの最高気温は連日40度以上を記録しており、多くの地域でここ数カ月ほとんど雨が降っておらず、ひどく乾燥している。政府は現在、一部地域の森林への立ち入り、農業機械の使用、花火を禁じている。

コスタ首相は9日、「屋外で火をつけたり、火花が出るような農機具を使ったりしないでください」とツイートした。

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