◎カンラオン山の噴火警戒レベルは5段階の中で3番目となっている。
フィリピン中部ネグロス島のカンラオン山(標高2470メートル)が9日未明に噴火し、100人以上が避難を余儀なくされている。
死傷者の情報はない。
フィリピン火山地震研究所によると、噴煙の高さは3000メートルに達したという。
当局はいくつかの集落が降灰に見舞われとして、学校を閉鎖し、夜間外出禁止令を出した。
地元テレビ局の取材に応じた男性は「カンラオン山は定期的に小規模な噴火を繰り返しているが、今回の噴火は大きかった」と語った。
当局は「火山活動の危険性が高まっている」として、カンラオン山周辺の警戒レベルを引き上げ、火口から半径6キロ以内の村人に避難を命じた。
地元メディアによると、公民館などに100人以上が避難し、その数は2000人を超える可能性があるという。
カンラオン山の噴火警戒レベルは5段階の中で3番目となっている。当局は火砕流を伴う大規模噴火の可能性があるとして、対象地域の住民に避難命令を遵守するよう呼びかけている。
フィリピンの火山はすべて環太平洋火山帯に沿って形成されている。1991年に発生したピナツボ火山の噴火では火砕流と火山泥流が発生し、少なくとも847人が死亡、数千の家屋が被害を受け、100万人以上が被災した。