◎マヨン山は先週、数年ぶりに溶岩を噴出。当局はフィリピン火山地震研究所などの勧告に基づき、周辺住民に避難指示を出した。
フィリピンのアルバイ州にあるマヨン山が溶岩を噴出し続けている。
マヨン山は首都マニラの南東約330kmに位置し、同国で最も活発な活火山のひとつとされる。
市民防衛局によると、この影響で麓や周辺地域の住民約1万3000人が避難を余儀なくされたという。
地元メディアは自転車や馬車で避難する住民の姿を報じている。
マヨン山は先週、数年ぶりに溶岩を噴出。当局はフィリピン火山地震研究所などの勧告に基づき、周辺住民に避難指示を出した。
同研究所12日の声明で、「火山活動が激化すれば、さらに多くの住民が避難を余儀なくされる可能性がある」と警告した。
同研究所によると、現在ペースはゆっくりではあるが、火口から溶岩が流れ続けており、少なくとも今後数日は噴火状態を継続する可能性が高いという。
マヨン山とその周辺ではこの数週間、地震が頻発していた。
同研究所は「万一に備えることが重要である」と述べている。「火砕流の速度は溶岩が流れる速度よりはるかに速いため、早め早めの避難行動を取ることが重要である...」
地元メディアによると、1814年の噴火では約1200人が死亡し、麓の町は火砕流に飲み込まれたという。
火口から6kmの範囲は立ち入り禁止区域に指定されているため、2013、18年の噴火の犠牲者は少なかった。
過去には台風接近による大雨が火山灰を含む土石流(ラハール、火山泥流)を引き起こしたこともある。
2006年の台風接近時には土石流がマヨン山の斜面を流れ下り、付近の集落が甚大な被害(約200人死亡)を受けた。2020年の台風による土石流では少なくとも10人が死亡している。
フィリピンの雨季は6月から11月頃まで続く。