◎デング熱は蚊が媒介する疾患のひとつで、発熱、発疹、頭痛、骨関節痛、嘔吐などの症状がみられる。熱帯地域の水源近くで蔓延することが多い。
南米ペルーでデング熱の患者が急増している。
中央政府は先月末、この事態を受け公衆衛生上の緊急事態を宣言した。
保健当局によると、2月末時点の全国の感染者数は3万4000人を超えたという。これは昨年同時期の2倍以上にあたる。
北部ピウラ州当局は2日、州内の病院にデング熱患者の専用エリアを設置し始めた。同州の感染者は5000人を超え、全国で2番目に多い。
デング熱は蚊が媒介する疾患のひとつで、発熱、発疹、頭痛、骨関節痛、嘔吐などの症状がみられる。熱帯地域の水源近くで蔓延することが多い。
同国で昨年デング熱により亡くなった人は21人。今年はすでにこれを上回る44人が死亡している。
保健省の報道官は国営テレビのインタビューで、「水不足とエルニーニョ現象による高温が感染拡大に拍車をかけている」と語った。
それによると、水道が止まった地域などでは飲み水の確保が難しくなっており、自宅内で保管している水の中で蚊が繁殖しやすくなっているという。
世界保健機関(WHO)は昨年末、ペルーのデング熱流行について、「北部地域の大雨と高温が関連している」という見方を示していた。
緊急事態宣言の対象地域は全国24州中20州。首都リマも含まれる。