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ペルー豪雨、全国700地区に非常事態宣言、68人死亡

非常事態宣言は太平洋岸、アンデス山脈、アマゾン地域にわたる14地域の700以上の地区を対象とし、災害対応資金や物資の迅速な配分、道路や橋梁、上下水道、電力など重要インフラの保護に向けた措置の実施を可能にする。
2026年2月23日/ペルー、南部アレキパ州、大雨による洪水が発生した現場(AP通信)

ペルー政府は25日、記録的な大雨と洪水、土砂崩れの影響を受けて全国の700を超える地区に対し非常事態宣言を発出した。宣言はバルカサル(José María Balcázar)暫定大統領の署名により官報に掲載され、激甚災害への迅速な対応と住民の安全確保を目的としている。

非常事態宣言は太平洋岸、アンデス山脈、アマゾン地域にわたる14地域の700以上の地区を対象とし、災害対応資金や物資の迅速な配分、道路や橋梁、上下水道、電力など重要インフラの保護に向けた措置の実施を可能にする。政府はこの宣言を基に地方自治体と連携し、被災地域の復旧・救援活動を強化する方針を示している。

今回の洪水・土砂災害は太平洋の海水温が平年より高い状態が続くエルニーニョ現象と関連しており、気象当局は3月にかけて大雨がさらに強まる可能性があるとして警戒を強めている。海水温の上昇は蒸発量を増加させ、大気中の水分量を高めることで豪雨を誘発している。

運輸省によると、これまでに931キロメートルに及ぶ道路網が損壊し、数十万人の通行や物流に影響が出ている。特に南部アレキパ州では幹線道路が土砂崩れなどで寸断され、救援物資の輸送が困難な状況となっている。

死者数も増加しており、政府は昨年末以降の関連死が68人に達したと発表している。内訳には、アレキパ州で土砂崩れに巻き込まれた父子や、首都リマ近郊の河川で救助活動中に溺死した警察官などが含まれている。これらの犠牲者は住民や救援隊員を問わず、災害の深刻さを物語っている。

また、豪雨は多くの住宅や農地にも深刻な被害を与え、5500戸以上の建物が浸水・損壊したとの報告もある。地域当局は避難所の設置や非常食・医薬品・テントなどの配布を進め、被災者の一時避難と生活支援に努めている。

中央政府は今回の非常事態を60日間継続するとし、その間に災害対策の強化、復旧作業の推進、被災者支援策の実行を急ぐ構えだ。地方自治体や関係機関が協力し、追加の洪水リスクや土砂災害に備える体制を整えている。

気象専門家は、気候変動の影響でエルニーニョ現象がより強烈になりつつある可能性を指摘し、今後も異常気象に対する長期的な対策の必要性を強調している。国民に対しては最新の気象情報の入手と自治体からの避難指示への速やかな対応が呼びかけられている。

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