◎地滑りは首都ポートモレスビーの北西約600キロに位置する内陸部のエンガ州で24日未明に発生。少なくとも6つの集落が巻き込まれたとみられる。
2024年5月25日/パプアニューギニア、エンガ州郊外、地滑りに巻き込まれた集落(Getty Images/AFP通信)

国連の専門機関である国際移住機関(IOM)は26日、南太平洋の島国パプアニューギニアのエンガ州で発生した大規模な地滑りについて、死者数が670人以上にのぼる可能性があると明らかにした。

地滑りは首都ポートモレスビーの北西約600キロに位置する内陸部のエンガ州で24日未明に発生。少なくとも6つの集落が巻き込まれたとみられる。

IOMのパプアニューギニア担当はAP通信の取材に対し、「死者数の推計を上方修正することになり、残念に思う」と語った。

それによると、地滑りに飲み込まれた民家は150棟以上にのぼり、現時点で670人以上が生き埋めになったとみられる。

地元当局は当初、死者数を100人以上と見積もっていたが、これを300人超に修正。これまでに5人の遺体を収容したと報告している。

被害の全容は明らかになっておらず、中央政府が関係自治体などと連携して対応に当たっている。

地滑りの原因も明らかになっていないが、一部メディアは専門家の話しとして、「過去の地震や大雨の影響で地盤が緩み、何らかのはずみで崩壊した可能性がある」と報じた。

報道によると、地元の建設業者が26日にショベルカー少なくとも1台を現場に投入したという。現場に続く道路はほとんど整備されておらず、トラックや大型重機の乗り入れが難しいと伝えられている。

救助隊は2次災害の恐れがあるとして、土砂崩れに巻き込まれた集落の生存者を高台に避難させた。

それによると、地滑り発生後も地盤のずれが複数カ所で確認されたという。

中央政府は現在、国際社会に支援を要請するかどうかを検討している。

現場でAFP通信の取材に応じた救助隊員は「複数の集落が深さ6~8メートルの土砂に覆われてしまった」と語った。

中央政府、州政府、警察、国防軍、赤十字社や地元NGOの職員からなる緊急対応チームが現場で対応に当たっている。

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