◎地滑りは首都ポートモレスビーの北西約600キロに位置する内陸部のエンガ州で24日未明に発生。複数の集落が巻き込まれたとみられる。
2024年5月25日/パプアニューギニア、エンガ州郊外、地滑りの外観(Getty Images/AFP通信)

パプアニューギニアエンガ州で発生した大規模な地滑りについて、救助当局は30日、行方不明者を捜索する準備を進めており、生存者を順次、安全な地域に避難させていると明らかにした。

地滑りは首都ポートモレスビーの北西約600キロに位置する内陸部のエンガ州で24日未明に発生。複数の集落が巻き込まれたとみられる。

現地メディアによると、中央政府と軍の専門家が現地入りし、新たな地滑りが発生する可能性がないか調査しているという。

エンガ州政府の広報担当はAP通信の取材に対し、「31日にオーストラリアとニュージーランドの専門家が現地入りする予定である」と語った。

中央政府はこの地滑りで2000人以上の住民が生き埋めになったと推定している。国連の専門機関である国際移住機関(IOM)は死者数を670人超と見積もっていた。

報道によると、これまでに収容された遺体はわずか6人である。

2台の掘削機と1台のブルドーザーが現地に搬入され、土砂を搬出する準備を進めている。

集落はエンガ州郊外の山岳地帯にあり、森林に覆われている。報道によると、現場に近い道路も土砂に覆われ、救援物資の搬入や重機の乗り入れを困難にしているという。

救助隊は全国各地から集まった重機や救援物資を運びこもうとしているが、土砂で寸断された道路から現場までは数百メートル離れており、搬入に苦労しているようだ。

生存者たちはこの1週間、家族や友人を探すため、手作業で土砂を取り除いている。

AP通信は現場で作業に当たる救助隊員の話しとして、「2次災害の恐れがあるため、慎重に作業を進めている」と伝えている。

それによると、現地で新たな地滑りは確認されていないが、傾斜のきつい地点では岩や土が流れやすい状態になっており、重機の搬入が難しいという。

地滑りの原因は明らかになっていない。専門家によると、過去の地震や大雨の影響で地盤が緩み、何らかのはずみで崩壊した可能性があるという。

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