◎パキスタンの雨季は7月から9月末頃まで続く。
パキスタン東部パンジャブ州で大雨による洪水や土砂崩れが発生し、この24時間で少なくとも14人が死亡した。国家防災管理局(NDMA)が19日、明らかにした。
それによると、大雨が始まった7月1日以来、全国で2200棟以上の家屋が被害を受け、北西部カイバル・パクトゥンクワ州、南部シンド州やパンジャブ州などが被害が拡大。これまでに209人の死亡が確認されたという。
パキスタンの雨季は7月から9月末頃まで続く。
気象台によると、この大雨は今週も続く見通し。シンド州では複数の地区が冠水し、多くの住宅が浸水したり、押し流されたりした。
NDMAは北部のいくつかの高速道路で発生した地滑りの土砂を搬出したり、洪水により流された橋や道路の復旧作業を急いでいる。
中央政府は先週、市民と観光客に対し、被災地への移動を避けるよう求めた。
被害の全容は明らかになっておらず、死者の数は増える可能性がある。
パキスタンは気候変動の影響を受けやすい国のひとつである。北部の広大な氷河が溶けることで川の水位が上昇。雨季は温暖化の影響でより長く、より強力になった。
国土の3分の1が水没した2022年の大水害では1739人が死亡、200万戸以上の家屋が損壊。被害総額は300億ドル(約4兆4400億円)と推定されている。
隣国アフガニスタンでも今年5月、豪雨災害が多発し、80人以上が死亡。タリバン当局は18日、東部ガズニ州で洪水により車が流され、3人が死亡したと明らかにした。