パキスタン豪雨、必死の救助・復旧作業続く、死者700人超

6月26日以降、大雨に関連する災害で死亡した人は全国で700人を超え、2万5000人以上が避難を余儀なくされている。
2025年8月17日/北西部カイバル・パクトゥンクワ州ペシャワル、大雨により冠水した道路(AP通信)

パキスタン北部の大雨災害について、政府は19日、北部と北西部地域における停電の70%が復旧し、多くの幹線道路が封鎖を解除したと明らかにした。

国家防災管理局(NDMA)によると、北西部カイバル・パクトゥンクワ州と北部ギルギット・バルティスタン州の大雨による死者は350人を超え、救助隊が行方不明者の捜索を続けている。

カイバル・パクトゥンクワ州の死者数は280人に達した。

首相府の報道官はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「先週の大洪水と土砂崩れで深刻な被害を受けた電力網の完全復旧に向け、エンジニアが総動員体制で働いている」と書いた。

また報道官はほとんどの幹線道路が通行可能となり、被災地域への食料品、生活必需品、重機の輸送が進んでいると述べた。

シャリフ(Shehbaz Sharif)首相は関係閣僚に救助・復旧作業を急ぐよう命じている。

NDMAによると、6月26日以降、大雨に関連する災害で死亡した人は全国で700人を超え、2万5000人以上が避難を余儀なくされている。

陸軍の報道官は19日の記者会見で、「軍医が生存者の治療・手当てを支援し、兵士たちはインフラの修復を進めている」と語った。

また報道官はヘリコプター部隊が孤立した遠隔地に食料と物資を輸送していると明らかにした。

被害の全容な明らかになっておらず、中央政府と自治体が調査している。

パキスタンの雨季は7月から9月末頃まで続く。

パキスタンは地球温暖化の影響を受けやすい国のひとつである。北部の広大な氷河が溶けることで川の水位が上昇。雨季は温暖化の影響でより長く、より強力になった。

国土の3分の1が水没した2022年の大水害では1739人が死亡、200万戸以上の家屋が損壊した。

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