◎全国の死者数は1200人を超えた。
2022年9月3日/パキスタン、南西部バルチスタン州ジャファラバード、牛と子供たち(Fareed Khan/AP通信)

パキスタンで活動する援助団体は3日、洪水被災地の衛生状態が劇的に悪化し、様々な感染症が蔓延する可能性があると警告した。

国営テレビPTVによると、全国の死者数は1200人を超えた。

国際医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」は声明で、「最優先事項は清潔な水の確保」と指摘している。

南西部バルチスタン州を含む豪雨・洪水に見舞われた4つの州の被災者は3300万人以上と推定され、140万戸を超える建造物が全壊または損壊した。

MSFは「被災者に食料と避難所を提供する活動を強化し、強化し、強化しなければならない」と国際社会に呼びかけた。

一方、シャリフ政権は3日の緊急会合で洪水の規模を再評価した。パキスタン国家防災管理庁(NDMA)は国土の3分の1が水没したと推定しているが、被害の全容は明らかになっておらず、死者数はさらに増える可能性がある。

政府報道官は3日の記者会見で、「この未曽有の危機に対処するためには国際社会の支援が欠かせない」と訴えた。

NDMAはウェブサイトの声明で、「パキスタンは今年、4つの熱波に直面し、全国各地で山火事が頻発し、異次元の大水害に見舞われた」と述べている。

またNDMAは「犠牲者の3分の1は子供」と警告した。

一方、国連児童基金(ユニセフ)は3日、清潔な水が圧倒的に不足しており、感染症のリスクが高まっていると指摘した。

ユニセフの報道官はウェブサイトに掲載した声明で、「下痢、コレラ、デング熱、マラリアなど、水を媒介とする致命的な病気が急速に蔓延する危険性が高い」と警告した。「多くの子供の命が危険にさらされています...」

6月中頃から続く大雨は推定100億ドルの被害をもたらし、数千万人が食料不足に直面している。政府は今週、全国の農作物の半分を失った可能性があると警告した。

パキスタンは洪水が発生する前から経済・食料危機に見舞われていた。

気象当局によると、バルチスタン州のある町では、わずか数日で平年の4倍以上の雨が降り、多くの集落が水没したという。

パキスタンの温室効果ガス排出量は世界全体の1%未満に過ぎないが、地理的な条件から気候変動の影響を最も受けやすい国のひとつと考えられている。

地球温暖化は洪水や山火事のリスクを高め続けている。

主要国は7年前のCOP21で地球の気温上昇を産業革命以前の平均気温のプラス2度以下、可能であれば1.5度以下に抑えることに合意した。

昨年のCOP26の共同宣言では、気温上昇を産業革命以前の平均気温のプラス1.5度以内に抑えるという「努力目標」を世界の共通目標として明記した。

しかし、国連によると、産業革命以来、地球の平均気温はすでに1.1度上昇しており、世界が温室効果ガスの排出量を大幅に削減しない限り、気温の上昇は続くという。

2022年9月3日/パキスタン、南西部バルチスタン州ジャファラバード(Fareed Khan/AP通信)
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