◎パキスタン国家防災管理庁(NDMA)は少なくとも17万戸の建造物が被害を受け、150近くの橋が流されたと報告している。

パキスタンのシャリフ(Shehbaz Sharif)首相は26日、全国各地で洪水被害が相次いでいることを受け、国際社会に支援を要請した。

シャリフ氏は26日にツイッターを更新。異例の豪雨がパキスタンを襲い、6月中旬以降の死者は937人に達し、その3分の1以上が子供であると訴えた。政府は非常事態を宣言している。

政府報道官によると、シャリフ氏は26日に関係国の大使や国際援助機関の代表と会談し、被害状況について説明したという。

シャリフ氏はツイートの中で、「今回の豪雨による洪水被害は約1700人が死亡した2010年の洪水災害より深刻だ」と説明した。

またシャリフ氏は洪水を「気候変動の恐怖」と呼び、地球規模で温暖化対策を強化する必要があると国際社会に呼びかけた。

国営テレビPTVは26日、北西部の観光地カラムのホテルが濁流にのみ込まれる映像を公開した。報道によると、観光客と従業員は全員避難していたため、死傷者は確認されていない。

パキスタン国家防災管理庁(NDMA)は少なくとも17万戸の建造物が被害を受け、150近くの橋が流されたと報告している。

一部地域では雨が止んだ後も水がほとんど引かず、軍と消防がボートを使って住民を避難させている。NDMAは数万人が仮設テントや避難所に身を寄せているとした。

シャリフ氏は26日に南部シンド州の集落を訪問し、被災者に支援を約束した。軍報道官によると、これまでに兵士約6500人が捜索・救助活動に参加し、4万人以上を避難させたという。

国連は25日、パキスタンで活動する国連関係機関とそのパートナーに対し、資金300万ドルを割り当てたと発表した。

パキスタンの梅雨は7月頃から始まる。しかし、今年は6月中頃から豪雨が続き、広い範囲で洪水が発生した。

政府報道官は26日の記者会見で、「喫緊の課題は人命救助と、洪水で家を失った人々のために仮設テントを用意することだ」と語った。

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