◎パキスタンの雨季は9月末頃まで続く。
パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州の広い範囲で大雨による洪水や土砂崩れが発生し、少なくとも14人が死亡した。地元当局が30日、明らかにした。
それによると、同州郊外の集落では民家の地下室が水没し、男性1人、女性3人、子供6人、生後11カ月の女児が死亡。別の2地区でも土砂崩れに巻き込まれたとみられる3人の遺体が収容されたという。
被害の全容は明らかになっておらず、自治体が警察や消防などと連携して調査している。
パキスタンの雨季は9月末頃まで続く。
今月初めには東部パンジャブ州や南西部バルチスタン州などで被害が拡大。60人以上が死亡し、250戸以上の家屋が損壊した。
気象台は先週、国内各地で洪水や土砂崩れのリスクが高まっていると警告していた。
パキスタンは気候変動の影響を受けやすい国のひとつである。北部の広大な氷河が溶けることで川の水位が上昇。雨季は温暖化の影響でより長く、より強力になった。
国土の3分の1が水没した2022年の大水害では1739人が死亡、200万戸以上の家屋が損壊。被害総額は300億ドル(約4兆6000億円)と推定されている。