◎火元とされる地区で農作物に火をつけたとみられる4人が逮捕された。
アルジェリアの消防当局は19日、北部チュニジア国境近くで発生した山火事の大半が鎮火したと報告した。
消防によると、山火事は50カ所以上で確認され、消火活動の結果、鎮火していないのは1カ所のみになったという。警察はこれまでに37人の死亡を確認したと報告している。
国営テレビによると、火元とされる地区で農作物に火をつけたとみられる4人が逮捕されたという。4人の身元は不明。認否も明らかにされていない。
国営テレビは自治体職員の話を引用し、「この地区の約1000世帯が避難を余儀なくされ、その多くが自宅と収入源を失った」と報じている。
AP通信の取材に応じた農家の男性は、「家畜も食料も家も、すべて焼けてしまった」と語った。
18日に現地を視察した政府高官らは被災地への支援を約束したうえで、「北アフリカ地域全体が異常な熱波に包まれ、山火事が多発している」と指摘した。「今年の高温と乾燥は異常です...」
地中海に面する地区の集落では多くの住民が途方に暮れていた。
動物園を運営していたという男性は、「人が死んだのに、警察も救助隊も来なかった」と語った。「町が燃え、人が死に、畑も燃え、動物も燃え、何もかも燃え尽きてしまいました...」
死亡が確認された37人の中には、住宅火災に巻き込まれた5人家族、地中海沿いのリゾート地を訪れていた観光客、山岳地帯で身動きが取れなくなった公共バスの乗客8人が含まれている。
警察は遺体の身元確認を進めている。国営テレビによると、19日午後の時点で山火事に巻き込まれた集落の数は把握されておらず、警察と消防が調査を進めているという。
観光エリアで今週末に予定されていたコンサートやイベントはすべて中止が決まっている。
ソーシャルメディアには支援の呼びかけと連帯を求める投稿が相次いで寄せられ、食料や日用品を積んだトラック数十台が現地に到着した。報道によると、多くの個人や企業が食料、医薬品、毛布、衣類などを寄付しているという。
アフリカ諸国の指導者たちはテブン(Abdelmadjid Tebboune)大統領に電話をかけ、支援を申し出た。