◎非常事態庁によると、全国36州のうち27州で被害が確認されたという。
ナイジェリア政府は16日、全国の広い範囲で大雨による洪水が多発していることを嘆き、多くの州が警告を無視し、被害を拡大させたと非難した。
連邦政府の非常事態庁によると、今年の洪水関連死は確認できているだけで600人を超え、家屋20万戸以上が全壊または損壊し、50万人以上がホームレスになったと推定している。
気象当局は今年の水害を「過去10年で最悪」と報告し、少なくとも140万人が避難を余儀なくされ、農地700㎢以上が破壊されたと報告した。被害の全容はまだ明らかになっていない。
大雨は11月末まで続くと予想されている。ナイジェリアは大雨に慣れているが、気象当局によると、多くの地域で平年の雨量を大きく超える大雨を記録したという。
連邦政府は豪雨・気候変動・州政府の治水対策不足が被害拡大を招いたと非難している。
専門家も低地や河川周辺の住宅建設を認め続けた結果、被害が拡大したと指摘している。
国連はマラリアやデング熱の感染拡大に懸念を表明した。多くの地域で水が引かず、不衛生な状態が続いている。
政府報道官は16日の会見で、避難勧告が出ている地域の住民に改めて避難を呼びかけた。
また報道官は被災地への食料および生活必需品の配給を進めていると報告した。
報道官は州政府が早期の警告を無視し、準備を怠ったと非難した。「多くの州政府が我々の警告を無視し、避難を促さず、行き当たりばったりの対応をしました...」
非常事態庁によると、全国36州のうち27州で被害が確認されたという。
専門家は「被災地の住民は水没した地域にとどまらざるを得ない」と指摘している。
転居費用を賄える市民は限られており、大多数は大雨に弱いと分かっている地域にとどまらざるを得ないのだ。
ナイジェリア経済はコロナとウクライナ侵攻の影響で大打撃を受けており、消費者物価指数(CPI)は過去最高を更新し、連邦政府だけでなく州政府も対応に苦慮している。
世界食糧計画(WFP)と食糧農業機関(FAO)は先月、壊滅的な飢餓に直面する危険度の高い6つの国のひとつにナイジェリアをあげた。