◎ナイジェリアの人口はアフリカ諸国の中で最も多く、2億600万人超と推定されている。
2022年9月19日/ナイジェリア、ラゴス郊外(Getty Images)

ナイジェリアの国家緊急事態管理庁(NEMA)は20日、この数カ月の大雨により、少なくとも50万人が被災し、300人以上が死亡、数百人が負傷し、10万人が避難生活を余儀なくされていると報告した。

報道によると、ナイジェリアでこの規模の水害が発生したのは10年ぶり。

NEMAは少なくとも27州で洪水や浸水が確認され、数万人が自宅を失い、その一部は国境を越えどこかに避難したと説明している。

今週死亡が確認された人は少なくとも20人。これで今年の水害犠牲者は確認できているだけで300人を超えた。

NEMAによると、2つのダムの貯水率が100%に達したため、下流域の州でさらに大規模な洪水が発生する可能性があるという。

NEMAは対象河川の近くで生活する数百万人に注意を促している。

ナイジェリアの人口はアフリカ諸国の中で最も多く、2億600万人超と推定されている。

洪水は北部の農地数千ヘクタールを破壊し、食料供給に影響が出るという懸念が広がっている。

報道によると、北部の農業地帯は同国の食料供給の大部分を担っているという。

さらに、北西部や中部ではイスラム過激派組織やギャングの暴力が増加し、危機に拍車をかけるという懸念も生じている。

北東部地域に拠点を置くイスラム過激派組織ボコ・ハラムのニュースは最近報じられていないものの、専門家によると、食料危機や貧困でこの過激派に入隊する若者が増えているという。

ボコ・ハラムはナイジェリア政府だけでなく周辺国にも攻撃を仕掛けている。その目的は厳格なイスラム法に基づくイスラム国家を建設することである。

国連によると、ボコ・ハラムの暴力の犠牲者はこの10年で3万5000人以上にのぼり、数百万人が避難を余儀なくされたという。

NEMAは20日の声明で、「今年の水害は昨年を上回り、より多くの地域で浸水被害が発生する」と警告した。

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