◎ナイジェリアの排水や河川インフレ(堤防など)は脆弱であり、毎年大規模な洪水が発生している。
ナイジェリアの国家緊急事態管理庁(NEMA)は19日、全国各地で大雨による洪水が相次ぎ、手に負えない状況になりつつあると報告した。
NEMAによると、過去7日間の洪水による死者は少なくとも20人確認され、この数カ月で300人以上が死亡し、推定50万人が被災したという。
この水害で農地数千ヘクタールが破壊され、食料供給に深刻な影響が出ると懸念されている。
NEMAの報道官はAP通信の取材に対し、「今年の洪水死者はこの10年で最も多い」と述べた。
ナイジェリアの排水や河川インフレ(堤防など)は脆弱であり、毎年大規模な洪水が発生している。特に排水能力の低さは深刻で、数十ミリの雨で道路が冠水することも珍しくない。
NEMAは今年の洪水について、大雨と隣国カメルーンの北部にあるダムの緊急放流が原因と指摘している。
NEMAによると、カメルーンのダム緊急放流の頻度は昨年より多いという。
ナイジェリア政府は19日、国内の2つの主要ダムで緊急放水を行う可能性が高まり、今後数週間のうちに下流域の州で大洪水が発生すると警告した。
NEMAは各州政府に対し、浸水リスクの高い地域で生活する市民に避難を促し、高台・避難所・食料などの備蓄を確保するよう助言した。
北部ジガワ州では先週、洪水で20人以上が死亡したと報告されている。これで同州の今年の洪水死者は90人を超えた。
洪水は食料供給の拠点である北部地域の農作物と農地も破壊した。専門家は北部の広い範囲で進行中の武力紛争が危機を悪化させる可能性があると警告している。
中部ベヌエ州では米農家が大打撃を受けている。AP通信の取材に応じた男性は、「稲と土地を同時に失った」と語った。「田んぼに砂が大量に流れ込んだため、使い物にならなくなりました...」