▽国立気象局(NWS)は南カリフォルニアの広い範囲で23日まで強風が続くと予想している。
米カリフォルニア州ロサンゼルスの北部で新たな山火事が発生し、わずか半日ほど40平方キロメートルが焼失した。
消防当局は22日、西部で延焼中の山火事について、これまでに28人の死亡を確認し、行方不明者の捜索をを継続していると明らかにした。
国立気象局(NWS)は南カリフォルニアの広い範囲で23日まで強風が続くと予想している。
NWSは南カリフォルニアの複数の地域に暴風警報を発令中。23日以降は弱まる見通しだ。
パシフィック・パリセーズ地区の山火事では6000棟以上の建物が焼失。鎮火率は22日午前の時点で68%、焼失面積は95平方キロメートルとなっている。
イートン地区の山火事では1万棟以上の建物が焼失または損壊。鎮火率は91%、焼失面積は56平方キロメートル。
この2つは数千人の消防士と航空機などの消火により、ゆっくりではあるが、延焼エリアは確実に狭まっている。
一方、北部で発生したヒューズ火災は強風に煽られ延焼。数万人に避難命令が出た。消防によると、22日午前の時点で建物被害は確認されていない。
ロサンゼルス郡消防局は22日夕方の記者会見で、「ヒューズ火災はあっという間に燃え広がり、40平方キロメートル以上に急拡大した」と語った。
また同局はヒューズ火災について、「範囲が広く、現時点で封じ込めは難しい」と説明。避難命令が出ている地域の住民に対し、命を守る行動を取るよう呼びかけた。
警察によると、パリセーズとイートンの火災ではこれまでに28人の死亡を確認、複数人と連絡が取れていない。イートンで17人、パリセーズで11人が亡くなった。
これまでに1万6000棟以上の建物が焼失または損壊し、22日午前の時点で約3万1000万人に避難命令、2万3000人に避難勧告が出ている。
ロサンゼルス郡とベンチュラ郡に対する山火事警報は24日の午前10時まで延長された。
NWSは20~22日にかけて風が強まり、ロサンゼルス郡やベンチュラ郡の山間部では40メートルを超える暴風になる可能性があると警告している。
被害の全容は明らかになっておらず、連邦政府と州政府が調査している。気象予報サイト「アキュウェザー」は被害総額を1500億ドル(約23兆5000億円)と見積もっている。政府はまだ被害予測を出していない。
米国の山火事シーズンは通常、10月末頃まで続き、11月に入ると落ち着くことが多い。
昨年は11月に入っても季節外れの高温と乾燥が続き、山火事の発生リスクが高い状態が続いていたものの、11月末に気温が急激に下がり、ほぼ全ての山火事が鎮火した。