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インド・ニューデリーの大気質悪化、爆竹で危険レベルに

ニューデリー市民は20日深夜まで爆竹を鳴らし続け、煙や微粒子を大気中に充満させた。
2025年10月21日/インド、首都ニューデリーの通り(ロイター通信)

インド・ニューデリーが21日、濃いスモッグに覆われた。前日、数百万人がヒンズー教の祭典「ディワリ」を祝い、爆竹を鳴らしたためだ。

ニューデリー市民は20日深夜まで爆竹を鳴らし続け、煙や微粒子を大気中に充満させた。これらが季節的な汚染物質と混ざり合い、21日朝までに市内数地区の空気質指数(AQI)は350を超えた。

ニューデリーの大気質を監視している政府機関SAFARによると、多くの地域で微小粒子状物質(PM2.5)濃度が世界保健機関(WHO)の安全基準の5~7倍以上に達したという。

灰色の霞が街路や高層ビル、歴史的建造物を覆い、市内の一部では視界も低下した。

ニューデリーを訪れていた観光客はAP通信の取材に対し、「こんな光景は初めてだ。汚染で何も見えない」と語った。

最高裁判所は先週、ディワリ期間中のニューデリーにおける爆竹の全面禁止を緩和し、汚染物質排出量の少ない「グリーン爆竹」の使用を限定的に認めた。

連邦研究機関が開発したこの爆竹は、粒子状物質とガス排出量を約30%削減するよう設計されている。

最高裁は18日から21日にかけて、特定の時間帯での使用を許可したが、過去数年と同様にこの規則はほとんど守られなかった。

ニューデリーの人口は3300万人超。世界で最も汚染された都市のひとつにランクされている。

大気汚染は冬に深刻化する。冬季は気象条件などの影響により大気がよどみやすい。

近隣州の芝焼き、焼き畑の煙はしばしばニューデリーに流れ込む。

公害規制のない産業からの排出物や国内の電力の大半を生産する石炭の使用も都市部の大気質悪化につながっている。

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