◎軍政は同国で活動する人権団体の被災地への立ち入りを制限している。
2023年5月17日/ミャンマー、西部ラカイン州、ハリケーン・モカの被害を受けた集落(Getty-Images/AFP通信)

ミャンマー軍政は19日、先週末に上陸したサイクロン・モカにより、少なくとも145人が死亡したと明らかにした。

モカは14日にミャンマー沿岸部にカテゴリー5の勢力で上陸。同国とバングラデシュの広い範囲に暴風と大雨をもたらした。

ミャンマー国営放送(MRTV)によると、犠牲者の大半がイスラム系少数民族ロヒンギャの住民だという。軍政は以前、死者数を21人と発表していた。

国連によると、モカはこの地域を襲ったハリケーンとしては今世紀最大規模で、100万人近くが影響を受けたという。

同国西部ラカイン州や少数民族の武装勢力と国軍との戦闘が長年続いているカチン州などで死傷者が報告されたものの、被害の全容は明らかになっていない。

軍政は同国で活動する人権団体の被災地への立ち入りを制限している。

MRTVは軍政報道官の声明を引用し、「これまでに145人の死亡を確認した」と伝えた。それによると、兵士4人、地元住民24人、ロヒンギャ117人が死亡したという。

しかし、独立系メディアはロヒンギャが暮らす国内避難所で被害が拡大し、軍政の発表よりはるかに多くの犠牲者が出たと伝えている。

国内避難所の民家や保健所は竹や木材で作られた掘っ立て小屋であり、ほとんどがモカの強風に耐えられなかった。MRTVは今週、20万戸近くの民家が被害を受けたと報じていた。

ラカイン州では鉄塔が倒れたと伝えられている。

独立系メディアは軍政がカチン州などのゲリラ部隊を攻撃したと伝えているが、詳細は不明だ。

北西部サガイン地域では陸軍が混乱に乗じて集落に攻め込んだ。

サガイン地域の反政府勢力は軍政の統治に最も強く抵抗しているゲリラのひとつである。報道によると、この地域には複数のゲリラが拠点を置いているという。

隣国バングラで死者は報告されていないが、世界最大の難民キャンプ「コックスバザール」では民家数千戸が被害を受けたと伝えられている。

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