モロッコ豪雨、北部でダム放流続く、14万人避難
洪水の主な原因となったのは、例年を大きく上回る降雨と満水に達したダムからの制御放流だ。
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アフリカ北西部・モロッコの北部地域で大規模な洪水が発生し、豪雨とダムの放水により複数の河川が氾濫している。内務省は5日、14万人余りの住民を避難させたと発表した。今回の避難は1月末から進められており、洪水リスクが高まった地域では軍や救助隊が展開されている。
洪水の主な原因となったのは、例年を大きく上回る降雨と満水に達したダムからの制御放流だ。気象台によると、過去6カ月間の総降水量は平年を30%以上上回り、「異常な気象条件」と指摘されている。これにより複数の河川の水位が急上昇し、北部の都市や農村部で浸水や土砂崩れが発生した。
内務省は5日時点で合計14万3164人が避難したと報告。特に被害が深刻なクサール・アルケビールでは住民の約85%が退去し、町はほぼ無人状態となった。学校や大学は休校となり、避難所が各地に設置されている。
避難作業では軍が動員され、ボートやヘリコプターを使って住民を安全地帯へ移送している。高齢者や子どもを含む多くの住民が屋根の上や冠水した道路で救助を待つ場面も見られたという。住民の1人はAP通信の取材に対し、「ほとんどの人が町を離れた。ダムの水位が限界を超えたと聞いている。本当に怖い」と語った。
洪水による死傷者の情報はないが、地元メディアは家屋や農地の浸水被害、道路や鉄道の寸断を伝えている。複数のダムが満杯状態で、あるダムは容量が146%に達し、放水を続けているという。これに伴い、洪水によって交通網が麻痺し、港湾での船舶運行も影響を受けた。
モロッコは過去7年にわたり深刻な干ばつに見舞われてきたが、今回の豪雨は一時的に水資源を回復させる効果ももたらしている。主要なダムや貯水池では水位が急回復し、飲料水の確保には一定の安心感が出てきたとの指摘もある。しかし、その一方で豪雨による被害と洪水リスクの高さが露呈し、今後の気象動向によってはさらに深刻な状況になる可能性がある。
気象当局は引き続き北部地域に大雨警報などを発令し、豪雨が予想されるとして住民に最新の情報を確認し、避難の準備を呼びかけている。中央政府は災害対応の強化と支援体制の拡充を進めるとともに、国際的な支援の可能性も含めて調整を図る方針だ。
