モロッコ、冬の降雨で干ばつ終結を宣言、7年ぶり
モロッコでは2019年頃から雨量が大幅に減少し、多数の主要ダムが枯渇状態となって水不足が深刻化した。
.jpg)
モロッコ政府は12日、7年にわたる深刻な干ばつがこの冬の雨により終結したと公式に宣言した。それによると、今冬の降雨量は前年同期比で95%増加し、季節平均を17%上回る水準に達したという。これにより全国のダムの平均貯水率は46%に上昇し、主要な貯水池のいくつかは満水状態に達したとされる。
政府は降雨と雪解け水の増加が地表水および地下水の補充に寄与し、国全体の水需給バランスが改善したと説明した。特に農業部門にとっては、水制限が長年続いてきたことから今回の降雨は「切望されていた救済」であり、小麦収穫の減少、家畜数の減少、大規模な雇用喪失といった干ばつがもたらした打撃からの回復に向けた重要な転機になっている。
モロッコでは2019年頃から雨量が大幅に減少し、多数の主要ダムが枯渇状態となって水不足が深刻化した。これにより農産物の生産性が低下し、地方経済や食料安全保障に大きな影響が及んでいた。また都市部でも飲料水供給の不安が拡大し、生活用水の節約措置や取水制限が長期間にわたって実施されていた。
政府は干ばつの長期化を受け、水資源管理戦略の見直しを進めてきた。中でも海水の淡水化設備の拡充が重要な柱となっており、政府は2030年までに飲料水の60%を淡水化処理水でまかなう目標を掲げている。これは従来の25%から大幅に引き上げられたもので、ダム水は内陸部など特定地域向けに温存する方針だ。淡水化事業は既存プラントの増強に加え、複数の地域で新設計画が進行中である。
政府はまた、水資源の全国的なネットワーク強化にも取り組んでいる。いわゆる「水のハイウェイ」と呼ばれる大規模な水道インフラ整備計画では、北部の流域と中央部・南部の貯水池を結びつけることで地域間の水需給を調整し、将来的な気候変動リスクに備える取り組みが進められている。
一方で専門家は、今回の冬季豪雨が干ばつ終結の明確な兆候であるものの、気候変動に伴う降水パターンの変動性が今後も続く可能性を指摘している。持続的な水資源の確保にはインフラ投資や効率的な管理といった構造的な対策が不可欠であり、政府は長期的な視点での対策継続を強調している。
今回の宣言は、同国が直面してきた深刻な水危機に一応の区切りをつけるものであるが、気候変動への適応と持続可能な水供給体制の構築という課題は依然として残されている。
