◎体調を崩した人の多くが低中所得者層で、エアコンを付けなかったり、水を購入できない人もいた。
メキシコ政府の統計によると、同国内で今年、熱中症とみられる症状で亡くなった人は少なくとも125人に達し、2300人以上が熱中症、脱水症状、極度の日焼けなどで病院に緊急搬送されたという。
地元テレビ局は20日、保健省の報道官の声明を引用し、「記録的な熱波による干ばつと暑さは広い範囲で今後数週間続く可能性がある」と報じた。
保健省によると、高温で体調を崩した人の多くが低中所得者層で、エアコンを付けなかったり、水を購入できない人もいたという。
湿度の高い湾岸州の気温は40度が当たり前になっている。保健省によると、中部ベラクルス州が最も深刻な影響を受け、犠牲者の3分の1近くを占めた。
首都メキシコシティの老人ホームに入居する女性は地元テレビ局のインタビューで、「あまり暑さを感じないが、あなた(記者)は大丈夫か?」と語った。
記者によると、室温は32度。クーラーは動いていたが、外があまりに暑く、冷えない。
動物も猛烈な熱波にウンザリしている。南部ではホエザルや鳥が暑さに耐えきれず、木から落ちて死んでいる。
住民は道路に水をまく、水浴びをする、日傘を使うなどして暑さを和らげている。米国南部の国境を目指す中南米の移民たちは日中の移動を避け、徒歩でゆっくり北上している。
ベラクルス州政府は各地にクールスポットを設置し、市民に日中の外出を控えるよう呼びかけている。
メキシコ赤十字によると、各地で働く職員は1人当たり1日平均5~6人、熱中症と疑われる患者を治療しているという。
消防、警察、赤十字は屋外で倒れたり、亡くなったりする人が相次いでいることを受け、車両にスポーツ飲料、氷、その他熱中症対策品を常時するようになった。