▽マヨット島の人口は約32万人。マダガスカルとアフリカ本土の間に位置し、フランスで最も貧しい県のひとつである。
アフリカ南東部・フランスの海外県マヨット島に新たなサイクロンが接近している。気象台は11日、島全域にサイクロン警報を出し、住民に避難を呼びかけた。
マヨット島は昨年12月中旬、超大型のサイクロン・チド(Chido)で甚大な被害を受けたばかりである。
フランス当局によると、サイクロン・ディケレディは11日午後にマダガスカル北部に上陸。現在、マヨット島に向かって西進中である。
ディケレディは12日未明にマヨット島南方に到達すると予想されている。
フランス内務省は声明で、「法執行機関は厳戒態勢を取り、住民を守るためにあらゆる手段を講じる」と述べた。
気象台によると、ディケレディはマヨット島に近づくにつれ、勢力を弱める可能性が高いという。
ディケレディはマヨット島の南方約75キロを通過する見込み。上陸の可能性は低いとみられるが、強風と大雨をもたらす可能性がある。
マヨット島の人口は約32万人。マダガスカルとアフリカ本土の間に位置し、フランスで最も貧しい県のひとつである。島民の75%が貧困ライン以下での生活を余儀なくされ、失業率は30~35%で推移している。
サイクロン・チドはマヨット島に甚大な被害をもたらし、数万棟の建物が全壊。被害の全容は1カ月経った今も分かっておらず、これまでに39人が死亡、2000人以上が負傷している。
バイル(Francois Bayrou)首相は2週間前に同島を訪問した際、「最終的な死者数は数百人に達する可能性がある」と述べていた。