▽チドは14日にマヨット島を横断。数万棟の家屋が全壊・損壊したとみられる。
2024年12月18日/フランスの海外県マヨット島の海岸(AP通信)

大型のサイクロン・チド(Chido)が上陸し、壊滅的な被害を受けたフランスの海外県マヨット島で行方不明者の捜索が続いている。

チドは14日にマヨット島を横断。数万棟の家屋が全壊・損壊したとみられる。

被害の全容は明らかになっておらず、フランス政府と自治体が調査中だ。フランス内務省は島民の7割が被災したと推定している。

マヨット島の人口は約32万人。アフリカ南東部・マダガスカルとアフリカ本土の間に位置し、フランスで最も貧しい県のひとつであり、島民の75%が貧困ライン以下での生活を余儀なくされ、失業率は30~35%で推移している。

地元メディアによると、25日から不法移民の送還が再開されたという。

マヨット島とコモロを結ぶ航路が運航を再開し、不法に入国した約500人のコモロ人が送還された。

商業便はまだ再開していないが、フランス政府は自国民を避難させるため、マヨットと仏領レユニオン島を結ぶ航空路を開設した。

人口32万人のうち約10万人が移民であり、その大半がマヨット島から70キロほど離れたコモロの市民である。

地元当局は死者数が数百人、場合によって数千人に達する可能性があると警告している。公式の死者数は数日間更新されておらず39人のまま。負傷者は4000人を超えた。

地元住民によると、20万人以上が水や電気不足に悩まされている。避難者数は明らかになっていないが、10万人以上がその場しのぎのテントや屋外で寝泊まりしている。

EUの執行機関である欧州委員会はマヨット島とアフリカ南東部・モザンビークの被災者を支援するため、両国に緊急支援を提供している。

フランスの呼びかけに応じ、ベルギー、ドイツ、イタリアを含む数カ国もテントやその他必需品を提供した。

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