▽これまでに1万6000棟以上の建物が焼失または損壊し、21日午前の時点で約8万人に避難命令、9万人に避難勧告が出ている。
米カリフォルニア州ロサンゼルス西部で延焼中の山火事について、州当局は21日、これまでに28人の死亡を確認し、少なくとも4つの山火事が延焼中であると明らかにした。
数千人の消防士が各地で消火活動と行方不明者の捜索を続けている。
国立気象局(NWS)によると、南カリフォルニアでは20日から風が強まり、延焼のリスクが高まっている。
NWSは南カリフォルニアの広い範囲に暴風警報を発令中。23日以降は風が弱まる見通しである。
パシフィック・パリセーズの山火事では6000棟以上の建物が焼失。鎮火率は21日午前の時点で59%、焼失面積は95平方キロメートルとなっている。
イートン地区の山火事では1万棟以上の建物が焼失または損壊。鎮火率は87%、焼失面積は56平方キロメートル。
警察によると、パリセーズとイートンの火災でこれまでに28人の死亡を確認。20数人と連絡が取れていないという。イートンで17人、パリセーズで11人が亡くなった。
これまでに1万6000棟以上の建物が焼失または損壊し、21日午前の時点で約8万人に避難命令、9万人に避難勧告が出ている。
消防によると、サンディエゴ郊外の山林で21日未明に2つの山火事が発生したという。
その他の地域でも山間部から煙や炎が上がっているという情報がある。
被害の全容は明らかになっておらず、連邦政府と州政府が調査している。気象予報サイト「アキュウェザー」は被害総額を1500億ドル(約23兆3700億円)と見積もっている。政府はまだ被害予測を出していない。
NWSは20~22日にかけて太平洋岸を中心に風が強まり、ロサンゼルス郡やベンチュラ郡の山間部では40メートルを超える暴風になる可能性があると警告している。
米国の山火事シーズンは通常、10月末頃まで続き、11月に入ると落ち着くことが多い。
昨年は11月に入っても季節外れの高温と乾燥が続き、山火事の発生リスクが高い状態が続いていたものの、11月末に気温が急激に下がり、ほぼ全ての山火事が鎮火した。