▽1万棟以上の建物が全焼し、15万3000人に避難命令が出ている。
米カリフォルニア州ロサンゼルス西部で発生した山火事について、消防当局は10日、これまでに11人の死亡を確認し、少なくとも6つの山火事が延焼中であると明らかにした。
それによると、1万棟以上の建物が全焼し、15万3000人に避難命令が出ているという。
被害の全容は明らかになっておらず、連邦政府と州政府が調査している。
最初の山火事は西部のパシフィック・パリセーズ地区で7日の午前11時頃に報告された。
国立気象局(NWS)によると、南カリフォルニアの全域で季節外れの高温・乾燥・強風が続いているという。10日に入って風は多少収まったと伝えられているが、11日以降は再び強まると予想されている。
数千人の消防士、消防ヘリ、放水機が山火事を食い止めるため、24時間体制で消火に当たっている。
パシフィック・パリセーズの焼失面積はわずか2日で90平方キロメートルに達し、10万人以上が避難を余儀なくされた。
AP通信によると、その北東部で発生した別の山火事は10日午後に概ね鎮火したという。
風が弱まった結果、延焼速度も遅くなり、消防士に消火や伐採のチャンスを与えた。
消防によると、10日午前の時点でパシフィック・パリセーズの山火事の鎮火率は8%、パサデナの山火事の鎮火率は3%、サンタクラリタ南方の鎮火率は37%、サンフェルナンドバレーの鎮火率は35%、残り2つは鎮火率0%となっている。
避難命令が出ている地域の住民の数は18万人から15万人3000人に減少した。
ニューサム(Gavin Newsom)州知事は10日、被災地で水圧が低下していることを受け、水道局に調査を命じた。水道局は市民に水の使用を控えるよう呼びかけている。
水圧が低下した結果、消防は住宅地での消火活動に支障が出たと報告している。
気象予報サイト「アキュウェザー」は被害総額の見積もりを1500億ドル(約23兆7400億円)としている。政府はまだ被害予測を発表していない。
米国の山火事シーズンは通常、10月末頃まで続き、11月に入ると落ち着くことが多い。
昨年は11月に入っても季節外れの高温と乾燥が続き、山火事の発生リスクが高い状態が続いていたが、11月末に気温が急激に下がり、多くの山火事が鎮火した。