インドネシア・スマトラ島豪雨、23人死亡、数十人行方不明
今回の災害は過去数日間にわたる豪雨が引き金となった。
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インドネシア・北スマトラ州を中心とするスマトラ島で発生した豪雨による土砂崩れと突発的な洪水により、少なくとも23人が死亡、数十人が行方不明となっている。地元当局が26日、明らかにした。
それによると、救助隊が安否不明者の捜索にあたっている。
今回の災害は過去数日間にわたる豪雨が引き金となった。雨により河川が氾濫し、山間部の村々に流れ込んだ濁流が土砂、岩、樹木などを巻き込みながら住宅地を襲い、多数の集落で壊滅的な被害をもたらした。
洪水で街路は激流と化し、橋や道路が崩壊、電力や通信も途絶え、被災地へのアクセスは依然困難な状況にある。
シボルガ市では、救助隊が少なくとも8人の遺体と3人の負傷者を確認。21人あまりが行方不明とされ、がれきの下に埋まった住民の捜索が続いている。
また、近隣の中央タパヌリ県では、土砂崩れが複数の住居を押し流し、少なくとも4人の死亡が確認された。
さらに、南タパヌリでは洪水と倒木などによって7人が死亡、58人が負傷、約2800人が避難を余儀なくされたという。
このほか、北タパヌリでは50軒あまりの住居と主要な橋が破壊されたほか、橋が流失し、山間部の集落で数百戸が浸水。さらに、ニアス島の主要道路でも土砂崩れが発生し、多くの住民が孤立している。これらの地域では行方不明者も報告されている。
当局と救助隊は現在、ヘリやボートを使った捜索・救助活動を実施しているが、悪天候や土砂崩れの影響で作業は難航している。
多くの地域で停電と通信断が継続し、情報の届かない孤立集落もあるという。高台への避難所設置や住民への退避呼びかけが進められているが、さらなる降雨により新たな土砂災害が発生する恐れがあり、警戒が続いている。
今回の被災は雨季(10月から翌年3月)に起きたもので、過去にも同様の洪水や土砂崩れで甚大な被害が報告されてきた。
気候変動の影響などで豪雨の頻度や強度が増す中、多くの住民が山あいや洪水多発地帯で生活している同国では、今回のような災害が今後も繰り返される恐れがある。
現在、国家捜索救助局(BASARNAS)を中心とする救助・支援体制が継続中だ。孤立地域への支援、被災者の収容、衛生・食料の確保など、人道支援と復旧作業が急がれている。
同時に、降雨が続く見通しから、住民には高所や安全な場所への避難が強く呼びかけられている。
