◎ケニアは2018年、集水域を保護し、迫りくる干ばつを回避するため、伐採禁止令を公布した。
2022年10月14日/ケニアの野生動物保護区、草を食べるシマウマ(Brian Inganga/AP通信)

ケニアのルト(William Ruto)大統領は3日、2018年に公布された伐採禁止令を解除すると発表した。

ルト氏は声明で「成長した樹木を放置しダメにするのは愚かなことだ」と述べている。

国営テレビによると、同国では木材不足が地域産業に深刻な影響を与えているという。

ルト氏は「森林を解放し、樹木を伐採することで多くの雇用を創出することができる」と説明した。

昨年9月に大統領に就任したルト氏は副大統領を務めていた2018年に集水域を保護し、迫りくる干ばつを回避するため、伐採禁止令を公布した。

ルト政権は全ての輸入木材(製品含む)に課税することで地元の伐採・製造業を後押ししている。

ルト氏は昨年、気候変動対策の一環として、10年間で150億本の樹木を植樹する計画を打ち出した。

またルト氏は先月、貧困や気候変動に対する行動を呼び掛けるグローバル・シチズン・フェスティバルでの演説で、「ケニアは地球温暖化を抑える取り組みで世界をリードしている」と述べていた。

首都ナイロビに拠点を置くグリーン・アフリカ財団(Green Africa Foundation)の事務局長はAP通信の取材に対し、「伐採禁止令の解除は森林再生を通じてケニアを低炭素の軌道に乗せるというこれまでの取り組みと努力を台無しにする」と語った。

政府は伐採許可を出す際の条件などをまだ明らかにしていないが、事務局長は「禁止令を一斉に解除すれば監視は困難になる」と警告した。

また事務局長はルト氏の植林目標を簡単に達成できるとは思っていないと語った。「一方では植林し、他方では伐採する...」

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