◎首都ナイロビでは住民が絶望に打ちひしがれる中、ブルドーザーが数十の掘っ立て小屋をブルドーザーで押しつぶした。
過去数十年で最悪の大洪水に見舞われているケニアで被災地の家屋解体が進められている。
政府は洪水が発生しやすい低地などに建てられた家屋をブルドーザーで取り壊し、避難期限が過ぎても立ち退かない家族を含む対象地域の住民に移住支援として1万ケニア・シリング(約1万1500円)を支給するとしている。
首都ナイロビでは住民が絶望に打ちひしがれる中、ブルドーザーが数十の掘っ立て小屋をブルドーザーで押しつぶした。
地元メディアによると、これに反対する住民が警察に立ちはだかったものの、催涙ガスと放水砲に圧倒され、撤退を余儀なくされたという。
洪水や土砂崩れなどによる全国の死者はこの数週間で250人近くに達した。
政府は先週、河川沿いやダム下流の低地で生活する数千人に立ち退きを命じた。
住居を失った多くの住民が行き場を失い、途方に暮れている。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは政府の対応を厳しく非難した。
掘っ立て小屋と家財を失ったという男性はAP通信の取材に対し、「私たちはルト(William Ruto)大統領を愛している。だからこそ彼を支持した。彼は私たちを助けるべきだ」と訴えた。
ルト氏は6日、ナイロビ郊外の被災地を視察した際、立ち退きエリアの住民に移住費として1万ケニア・シリングを支給すると明らかにした。
市民団体によると、ナイロビのスラム街であるマサレでは家屋の取り壊しを防ごうとした住民3人がブルドーザーにひかれて死亡したという。うち2人は子供だった。
2022年の大統領選でルト氏に敗れたオディンガ(Rila Odinga)氏は先週、政府に対し、再定住計画を策定する前に家屋を取り壊さないよう要求した。