◎トレント自治県は現在、ヒグマの殺処分をめぐって論争の的となっている。
イタリアの動物愛護団体「OIPAイタリア」は30日、北部トレント自治県で今月16日にフランス人ハイカーを襲ったメスのヒグマが駆除されたと明らかにした。
トレント自治県は現在、ヒグマの殺処分をめぐって論争の的となっている。
当局はこのヒグマをKJ1と名付け、生息地を調査していた。
OIPAイタリアは声明で、「母グマが殺害されたことにより、3頭の子グマが命の危機にさらされている」と述べた。
それによると、KJ1は殺処分命令が出た日に駆除されたため、法的措置を取ることができなかったという。
OIPAイタリアは「KJ1が淘汰されたことに落胆、失望している」と表明。トレント自治県を非難した。
トレント自治県はフランス人ハイカーが襲われた後にDNA鑑定を行い、この個体を特定した。
トレント自治県は30日付けの声明で、「KJ1は人間を襲う危険な個体であった」と述べ、ヒグマの脅威を評価するデータを引用した。
43歳のフランス人ハイカーは16日、早朝のハイキングで道を外れてしまい、その後、KJ1と遭遇。足と腕を負傷した。
ハイカーは自力で逃げ出し、警察に通報した。
トレント自治県はEUの環境プロジェクトの一環として、1999年にヒグマを再導入。それ以来、ヒトがヒグマに襲われる事件は9件発生し、昨年はハイカーが死亡している。