◎イラクは現在、猛烈な熱波に覆われており、各地の最高気温は40~45度を記録。最も暑い地点で47度に達した。
イラク南部の都市バスラにある発電所で火災が発生し、中部と南部の広い範囲で停電が発生した。現地メディアが29日に報じた。
中央政府によると、バスラの火力発電所で火災と爆発が発生し、中部と南部の送電網が切り離されたという。
消防が消火活動に当たっているとみられるが、現地の状況はほとんど明らかになっていない。
イラクは現在、猛烈な熱波に覆われており、各地の最高気温は40~45度を記録。最も暑い地点で47度に達した。
一方、送電線を保守する送配電会社は29日、中西部ハディサの遠隔地にある送電鉄塔が破壊工作を受けたと明らかにした。
それによると、鉄塔少なくとも3基が被害を受け、送電不能に陥ったという。誰が攻撃したかは明言されておらず、犯行声明も出ていないようだ。
送配電会社は声明の中で、「28日に復旧作業を開始したかったが、セキュリティ上の問題で現場に技術者を派遣することができなかった」と述べている。
クルド人自治区を含む北部地域ではイスラム国(ISIS)の残党や国際テロ組織アルカイダとつながりのある過激派などが活動している。
同社によると、技術者は治安部隊の助けを借りて29日に現地入りできたという。
スダニ(Mohammed al-Sudani)首相は両事件を調査する専門家委員会の設置を決めた。
火力発電所と送電線の損傷は全国の送電網に影響を与え、バグダッドでは水道施設が停電。一部地域で断水が発生した。報道によると、水道局は発電機を使って給水ポンプを稼働させようとしている。
スダニ政権は今月初め、フランスのエネルギー大手トタルエナジーズと270億ドルの契約を結んだ。これは発電所や送電線の改修・整備を進め、隣国イランからのガス輸入に頼らずに電力インフラを維持する取り組みのひとつである。