◎北スマトラ州郊外の集落で1日遅くに土砂崩れが発生し、民家数戸が全壊した。
インドネシアのスマトラ島で豪雨による洪水と土砂崩れが相次ぎ、少なくとも1人が死亡、11人が行方不明になっている。警察当局が3日、明らかにした。
それによると、北スマトラ州郊外の集落で1日遅くに土砂崩れが発生し、民家数戸が全壊したという。
同州では1~2日にかけて複数の河川が決壊。いくつかの町と集落が冠水した。
土砂崩れ現場で救助作業に当たった消防士は地元テレビ局の取材に対し、「ショベルカーや素手で瓦礫をかき分け、24時間体制で行方不明者を探している」と語った。
州政府の報道官はフェイスブックに声明を投稿。「被災地に要員を投入し、災害救助犬やドローンなどを活用して行方不明者を探している」と書き込んだ。
観光客に人気のトバ湖でも洪水に巻き込まれたとみられる行方不明者の捜索活動が行われている。
報道によると、救助隊は土砂崩れ現場から500メートルほど離れたトバ湖近くで男性の遺体を収容したという。
この男性はホテルの従業員と伝えられている。
国家災害対策庁によると、民家少なくとも35戸、学校、ホテル、教会などの建物が洪水・土砂崩れで全壊または損壊し、約60世帯が避難を余儀なくされたという。
インドネシアは環太平洋プレートに沿って形成され、火山の噴火、地震、豪雨による地滑りや洪水などの自然災害に毎年見舞われている。
トバ湖は古代の超巨大火山の噴火により形成され、スマトラ島を代表する観光地のひとつである。
国家災害対策庁は西スマトラ州のマラピ山で3日午後に発生した噴火について、これまでのところ死傷者は確認されていないと報告した。