◎土砂崩れは西スマトラ州郊外の金鉱山近くで26日に発生。土砂が鉱山と近くの集落に流れ込んだ。
インドネシア・スマトラ島の西スマトラ州郊外の金鉱山で発生した豪雨による土砂崩れについて、地元当局は28日、これまでに12人の死亡を確認したと明らかにした。
土砂崩れは西スマトラ州郊外の金鉱山近くで26日に発生。土砂が鉱山と近くの集落に流れ込んだという。
当局は27日に死者数を15人と報告していたが、連絡不足による重複があったとして、12人に訂正した。
地元メディアによると、この金鉱山に到達するためには車で乗り入れできる集落から4時間ほど歩く必要がある。
現場で救助活動を指揮した消防の責任者は記者団に対し、「何人かは自力で脱出、その他はレスキュー隊によって救助され、11人が手当てを受けている」と語った。
それによると、少なくとも2人の行方が分かっておらず、救助活動を継続中とのこと。
亡くなった12人はいずれも金鉱山で働いていた鉱夫とみられる。
地元メディアによると、この金鉱山は当局の許可を得ずに操業していたという。
インドネシアでは非正規の採掘が一般的であり、何万人もの労働者が命がけで生計を立てている。
土砂崩れ、洪水、トンネルの崩壊は労働者が直面する危険のほんの一部にすぎない。金鉱石の加工には毒性の高い水銀やシアン化物が使用される。労働者はほとんど、あるいはまったく保護具を着用せず、加工作業を行う。
北部スラウェシ島・ゴロンタロ州では昨年、金鉱山が崩壊し、少なくとも23人が死亡した。
22年4月には北スマトラ州の金鉱山で地滑りが発生、12人の女性が死亡。19年2月には北スラウェシ州の無許可金鉱で木造の建屋が土砂崩れで全壊、40人以上が死亡した。