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インドネシア・スマトラ島豪雨、死者69人に、行方不明者の捜索続く

この災害は北スマトラ州を中心に過去一週間にわたるモンスーンの集中豪雨で発生。複数の河川が氾濫し、山あいの集落を飲み込み、2000棟を超える住宅や建物が浸水・倒壊した。
2025年11月27日/インドネシア、スマトラ島、大雨により冠水した道路(AP通信)

インドネシアのスマトラ島で大雨による洪水や土砂崩れが相次ぎ、少なくとも69人が死亡、救助隊が行方不明者を捜索している。現地メディアが28日に報じた。

それによると、被災地では依然として多数の行方不明者がいると報告されており、救助隊が川や倒壊した家屋の捜索を続けているという。

この災害は北スマトラ州を中心に過去一週間にわたるモンスーンの集中豪雨で発生。複数の河川が氾濫し、山あいの集落を飲み込み、2000棟を超える住宅や建物が浸水・倒壊した。

救助当局によると、北スマトラ州だけで37人の死亡が確認され、50人余りが行方不明になっている。

さらに、スマトラ島の他地域、西スマトラ州やアチェ州などでも洪水被害が広がっており、これら地域で数万人の住民が被災した。

アチェ州では約4万7000人、西スマトラ州では1万2000人余りが避難を余儀なくされている。

救助活動は道路の寸断や倒木、洪水の影響で難航している。テレビでは救助隊がジャッキや丸ノコ、農具、時には素手で濁流と瓦礫のなかを掘り起こす様子が報じられ、ゴムボートで水没した家屋から子供や高齢者を救出する姿が確認されている。

ある被災住民は地元テレビ局の取材に対し、屋根に上ろうとしたが、水の勢いが強く、子供を抱えて稲田のなかを必死で走ったと語った。

母親と子供の家はその後、濁流にのまれた。

当局は犠牲者数がさらに増える可能性が高いと警告しており、アクセス不能地域の多さや通信断、停電などが捜索を妨げている。

特に、山間部や崖地にある村では、土砂崩れの危険が続いており、救助隊の到達自体が非常に困難な状態だという。

インドネシアでは例年、10月から3月にかけてモンスーンシーズンとなり、こうした洪水や土砂崩れが多発する。今回のような大規模災害は、地理的条件と季節要因が重なった結果であると専門家は指摘する。

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