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パキスタン東部豪雨、インド当局が警告、国境河川増水で100万人避難

両国の被害の全容は明らかになっておらず、中央政府と関係自治体が調査している。
2025年8月31日/パキスタン、東部パンジャブ州ラホール近郊、大雨により冠水した通り(AP通信)

インド当局は2日、北西部の広い範囲で大雨が続く、パキスタン東部にも影響が出る可能性があるとして、パキスタン側に洪水に備えるよう促した。

パキスタン国家防災管理局(NDMA)も2日、東部地方とインド側の大雨より、河川の水位がさらに急上昇する可能性があると警告した。

インド当局は先月末にも国境付近の大雨により、国境を越えた洪水のリスクが高まっているとパキスタン側に警告していた。

パキスタン東部パンジャブ州では8月28日、豪雨と隣国インドのダム放流により3つの主要河川がほぼ同時に氾濫。2300を超える集落が洪水に見舞われた。

この結果、100万人以上が避難を余儀なくされた。当局によると、数十万棟の家屋が浸水し、数十平方キロメートルの田畑が泥に覆われ、途方もない量の農作物(主に小麦)が被害を受けたという。

パンジャブ州は同国最大の小麦生産地であり、2022年の大水害でも甚大な被害を受けた。

パキスタンでは6月26日以来、大雨に関連する災害で900人近くが死亡(2日時点)。パンジャブ州では200人以上の死亡が確認された。

インドが管理する北部の係争地カシミール地方でも数百人が死亡している。

両国の被害の全容は明らかになっておらず、中央政府と関係自治体が調査している。

インド当局は2日、北部のいくつかの地域で土砂崩れが発生し、過去24時間で少なくとも10人が死亡したと明らかにした。

インド北部ジャンムー・カシミール州で先月中旬に発生した洪水と土砂崩れでは300人以上が死亡。150人以上が行方不明になった。

パキスタンの雨季は7月から9月末頃まで続く。

パキスタンは地球温暖化の影響を受けやすい国のひとつである。北部の広大な氷河が溶けることで川の水位が上昇。雨季は温暖化の影響でより長く、より強力になった。

国土の3分の1が水没した2022年の大水害では1739人が死亡、200万戸以上の家屋が損壊した。

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