◎インドの雨季(モンスーンシーズン)は6月から9月まで続く。
インドの警察当局は28日、北部ウッタルプラデシュ州の集落で7人が落雷により死亡したと発表した。
報道によると、7人は26日に田畑で作業をしている最中、豪雨に見舞われ、樹の下で雨宿りをしていたという。7人のうち4人は家族だった。
ウッタルプラデシュ州政府の報道官は28日、落雷事故が相次いでいることを受け、「連邦議会に新たなガイドラインを策定するよう求めている」と明らかにした。
また報道官は「雨期の大雨による洪水や土砂崩れに警戒することはとても重要だが、落雷事故の死者はそれよりはるかに多いことも理解しなければならない」と指摘した。
インドの雨季(モンスーンシーズン)は6月から9月まで続く。
連邦政府の統計によると、今年4月以降の落雷事故で死亡した人は全国で750人近くに達したという。この中には東部ビハール州で今週死亡した20人や、中部マディヤプラデシュ州で今月初めに死亡した16人が含まれる。
インド気象局は「地球温暖化が落雷を後押ししている」と指摘している。同局によると、気温が1度上昇すると、落雷の件数は12倍増加するという。
森林伐採、水域の減少、大気汚染が落雷の増加に一役買っているとみられる。
インド気象局の報道官はAP通信の取材に対し、「今年は大気汚染のレベルがコロナ禍前の水準に戻ったため、落雷が増加した」と語った。「地温が高いと海や川が蒸発し、大気中に水分が加わります。そして、空気中に漂うエアロゾルが雷雲の発生を後押しし、雷を誘発するのです...」
北東部アッサム州、マニプール州、トリプラ州、シッキム州では今年、豪雨や土砂崩れで200人以上が死亡し、バングラデシュでも5月17日以降、少なくとも42人が死亡している。
インド、バングラデシュ、パキスタンでは少なくともあと1カ月は不安定な天気が続くとみられる。