◎グリーン水素は再生可能エネルギーで発電された電力を動力源とし、水の電気分解によって製造される水素のことである。
インド政府は4日、グリーン水素の製造・使用・輸出を支援する23億ドル規模の予算を承認した。
政府はこの予算について、「今後10年で少なくとも500万トンのグリーン水素を製造する能力を確立する第一歩」と評した。
グリーン水素は再生可能エネルギーで発電された電力を動力源とし、水の電気分解によって製造される水素のことである。世界の水素のほとんどは化石燃料、特に天然ガスを使って製造されている。
首相府の報道官は声明の中で、「グリーン水素を手ごろな価格にし、今後5年間でその製造コストを下げることを目指す」と述べている。
また報道官は、「融資を受ける企業の力は2030年までに再生可能エネルギー容量を約125ギガワット増強するという政府の目標を後押しする」と説明した。昨年10月時点の再生可能エネルギー容量は約166ギガワット。
政府はグリーン水素関連プロジェクトを拡充することで、50万人以上の新規雇用を創出し、この分野への民間投資を呼び込み、化石燃料の輸入を減らし、温室効果ガスの排出を5千万トン削減するとしている。
地元メディアによると、国営企業を含む大手エネルギー企業がグリーン水素への投資を加速させているという。
グリーン水素は現在、世界の水素使用量のごく一部に過ぎず、製造量は年間約7000万トンと推定されている。
商業生産されている水素のほとんどは化石燃料を使って製造されるグレー水素と、同じく化石燃料を使って製造されるが排出を抑えるために炭素捕捉システムを使用したブルー水素である。グリーン水素は製造工程で温室効果ガスをほとんど排出しない。
インド政府は中国、EU、米国など他の多くの国々と同様、グリーン水素関連プロジェクトにインセンティブを与えている。
アナリストはグリーン水素の製造コストについて、今後数年で大幅に低下すると予想しており、グリーン水素市場は2030年までに現在の20倍、800億ドル規模に成長すると予測している。