◎両国は数カ月前まで深刻な干ばつと山火事に悩まされていた。
ポルトガル当局は13日、首都リスボンの複数の地区が冠水し、市民数千人が被害を受けたと発表した。
政府報道官によると、死傷者は確認されていない。
イベリア半島に上陸した低気圧はポルトガルとスペインに大雨をもたらした。両国は数カ月前まで深刻な干ばつと山火事に悩まされていた。
スペインメディアによると、西部の大雨で道路の一部が崩落したという。死傷者は確認されていない。
リスボンでは先週の大雨による洪水で1人が死亡している。政府は陸軍の兵士約5000人を派遣し、自治体の排水作業を支援している。
リスボン市役所は市民に屋内にとどまるよう求め、企業にはテレワークを活用するよう強く促した。
報道によると、市内のいくつかの学校が休校となり、電車、バス、地下鉄も13日の運休を決めたという。観光名所も閉鎖されたようだ。
政府報道官は13日の会見で、「全国の自治体職員約5000人が洪水対応に当たっている」と述べた。
被害の全容は明らかになっていないが、政府は被害額を数百万ユーロと見積もっている。
気象当局は14日もリスボンを含む広い範囲で荒天が予想され、一部地域に暴風警報を出した。また当局は気象警戒レベルを2番目に高いイエローに引き上げ、市民に最新の気象情報を確認し、自治体から避難指示が出た場合は速やかに行動するよう呼びかけている。
嵐は13日遅くに国境を越えてスペインに到達。一部地域で道路の冠水や床上浸水被害が報告されている。
リスボンは昔から洪水に弱く、何度も冠水している。街の一部はイベリア半島の主要河川であるテージョ川につながる2つの支流の合流点に築かれている。
リスボン市長はSNSに声明を投稿し、「地球温暖化がもたらす異常気象が続いている」と指摘した。「干ばつの次は大雨です...」