◎キューバはパンデミック以来、史上最悪の経済・エネルギー危機に直面しており、停電が常態化。1日数時間は当たり前、長い時は8時間を超える。
キューバ当局は21日、ハリケーン・オスカーが上陸した東部地域などで少なくとも6人が死亡したと明らかにした。
オスカーはカテゴリー1の勢力で20日に上陸し、まもなく熱帯低気圧になった。
一方、18日に発生した大規模停電は4日目に突入。21日午後になっても多くの地域が真っ暗なままだ。
<ハリケーンの勢力>
▽カテゴリー1:風速 33~44(m/s)
▽カテゴリー2:風速 43~49(m/s)
▽カテゴリー3:風速 50~58(m/s)
▽カテゴリー4:風速 58~70(m/s)
▽カテゴリー5:風速 70~(m/s)
ディアスカネル(Miguel Díaz-Canel)大統領は21日、X(旧ツイッター)に声明を投稿。「東部地域で捜索・救助活動が続いており、これまでに少なくとも6人が死亡した」と書き込んだ。
またディアスカネル氏は、「オスカー上陸後も多くの関係者が不眠不休で働いている」と述べ、国民に改めて理解と忍耐を求めた。
共産党は国営テレビ・ラジオ局を通じて声明を出し、「進行中の大雨と強風は電力網に打撃を与えるかもしれないが、皆の力を結集して困難を乗り切ろう」と訴えた。多くの市民が停電により、この放送を見逃した。
現地メディアによると、首都ハバナの停電は徐々に解消しているようだ。
国営電力会社によると、約200万人が生活するハバナの90%が通電したという。しかし、その他の約900万人が生活する地域の多くで停電が続いているようだ。
AP通信はハバナ市民の話しとして、「20日夜に一度通電したが、また停電し、21日夜になっても復旧しない」と伝えている。
共産党は以前の発表で「危機は去った」と主張するも、再び停電が発生。市民の希望を打ち砕いた。ハバナ中心部の基幹病院や政府庁舎には電気が届いている。
国営電力会社の担当官はラジオ局のインタビューで、「完全復旧にはかなりの時間がかかると思う」と語った。
共産党は18日の正午前に主要発電所でトラブルが発生し、送電網がクラッシュしたと発表している。原因は不明であり、国営電力会社が調査中とのこと。
キューバはパンデミック以来、史上最悪の経済・エネルギー危機に直面しており、停電が常態化。1日数時間は当たり前、長い時は8時間を超える。
さらに食料不足とインフレが危機に拍車をかけ、数十万人が国外に逃亡。その大半が米国を目指している。
米国立ハリケーンセンター (NHC)によると、熱帯低気圧になったオスカーはゆっくりとした速度で西に移動中。風は弱まったが、雨量が増える可能性があるという。