◎パキスタンの雨季は7月から9月末頃まで続く。
パキスタン全土で6週間近く続いた大雨による死者が156人にのぼった。当局が8日、明らかにした。
それによると、大雨が始まった7月1日以来、1800棟以上の家屋が被害を受け、北西部カイバル・パクトゥンクワ州や東部ラホールなどが大きな被害を受けたという。
パキスタンの雨季は7月から9月末頃まで続く。
ヒマラヤの係争地カシミール地方も大雨に見舞われ、道路が冠水したり、複数箇所で土砂崩れが発生した。
国家防災管理局(NDMA)によると、今回の大雨で亡くなった156人の多くがカイバル・パクトゥンクワ州と東部パンジャブ州で確認されたという。
また倒木や電線の落下などにより300人近くが負傷。当局は被災地の住民に水、食料、薬などを無料で提供している。
南部シンド州では2000人以上が自治体の避難所などに身を寄せている。気象台によると、この大雨は来週12日まで続く見通し。
パキスタンは気候変動の影響を受けやすい国のひとつである。北部の広大な氷河が溶けることで川の水位が上昇。雨季は温暖化の影響でより長く、より強力になった。
国土の3分の1が水没した2022年の大水害では1739人が死亡、200万戸以上の家屋が損壊。被害総額は300億ドル(約4兆4200億円)と推定されている。