◎サウジの地元メディアは「死亡が確認された1000人うち約600人がエジプト人という情報がある」と報じている。
2024年6月16日/サウジアラビア、イスラム教の聖地メッカ、聖なる丘の近く(Amr Nabil/AP通信)

イスラム教の聖地メッカへの大巡礼「ハッジ」に参加したイスラム教徒約1000人が熱中症で死亡した。現地メディアが21日に報じた。

それによると、世界各国から集まった少なくとも1000人が熱中症とみられる症状で死亡したとみられる。

サウジの地元メディアは「死亡が確認された1000人うち約600人がエジプト人という情報がある」と報じている。

サウジ当局はメッカや周辺地域の病院に担当官を派遣し、調査に当たっている。

ハッジはイスラム教徒にとって、「一生に一度は行わなければならない人生の義務」である。

巡礼者たちは1400年前に預言者ムハンマドが歩いた道を数日かけて巡礼し、神に近づくことを目的とする儀式を行う。

今年は世界中から180万人以上のイスラム教徒が集まり、最高気温が55度近くに迫る中、カーバ神殿や聖なる丘を巡礼した。

AP通信によると、亡くなった人の大半が当局の許可を得ずに現地入りした巡礼者であり、クールスポットに入ることができず、当局が用意した聖地間を結ぶバスにも乗車できなかったという。

エジプトのシシ(Abdel Fattah El-Sisi)大統領は21日、危機管理チームにサウジ当局と連携して調査に当たるよう命じた。

エジプト政府も死者数を確定できていないが、国内で登録された巡礼者約5万人のうち28人の死亡を確認したと報告している。

当局によると、情報が不足しているため、未登録の巡礼者を確認することは困難だという。

エジプト政府はサウジ当局と連携し、死者・行方不明者の正確な情報を入手し、遺体の移送を手配していると声明を出した。

また同政府は「無許可の巡礼者の渡航を斡旋した団体や組織は刑罰を受けることになる」と付け加えた。

ハッジで死者が出ることは珍しくなく、専門家によると、伝染病が蔓延したこともあったという。

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