ギリシャ・アテネの山火事概ね鎮火、警戒態勢維持、1人死亡
アテネの過去数週間の気温は30~40度で推移。最近は35度を下回るようになったが、雨はしばらく期待できそうにない。
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ギリシャ・アテネ近郊で発生した山火事について、消防当局は9日、過去数日間の消火活動の末、概ね鎮火したと明らかにした。
それによると、アテネ地域の山火事は9日の明け方までに概ね鎮火したという。
消防は声明で、「週末とそれ以降も強風と乾燥が予想されるため、警戒態勢を維持する」と述べた。
消防当局は8日の声明で、少なくとも1人が死亡し、オリーブ園や複数の建物が全焼したと明らかにしていた。
アテネ南西部の山林で7日に発生した山火事は一気に燃え広がり、消防が全焼した建物で高齢男性の遺体を発見した。
アテネ消防局の広報担当は9日の声明で、「南西部の山火事は制御下にあるが、まだ煙がくすぶっているため、署員が確認・消火作業を続けている」と述べた。
気象台によると、アテネとその周辺地域では数ヶ月間ほとんど雨が降っていない。
観光地として知られるケファロニア島の山火事も概ね鎮火したと伝えられている。
ギリシャを含む南ヨーロッパは5月以来、記録的な熱波に見舞われ、多くの地域で気温が上昇。50度を超えた場所もある。
アテネの過去数週間の気温は30~40度で推移。最近は35度を下回るようになったが、雨はしばらく期待できそうにない。
ギリシャの山火事シーズンは6月から9月末頃まで続く。出火原因は落雷、たき火、キャンプファイヤー、花火、下草やゴミの焼却処理など。極度の高温と乾燥で自然発火することもある。
EUのデータによると、ギリシャの山火事被害は近年、悪化の一途をたどっている。21年には1300平方キロメートルが焼失。23年の焼失面積は1745平方キロメートルに達した。
23年に北部で発生した山火事は欧州史上最大級となり、数週間燃え続け、20人が死亡した。
アテネ東部で2018年に発生した山火事では100人以上が死亡。その一部は炎から逃れるために海に飛び込み、溺死した。