ギリシャ・アテネで山火事猛威、1人死亡、高温と乾燥続く

ギリシャを含む南ヨーロッパは5月以来、記録的な熱波に見舞われ、多くの地域で気温が上昇。50度を超えた場所もある。
2025年8月8日/ギリシャ、首都アテネ近郊、消火活動に当たる消防士(ロイター通信)

ギリシャ・アテネ近郊で発生した山火事について、消防当局は8日、これまでに少なくとも1人が死亡し、各地で消火活動を続けていると明らかにした。

地元メディアによると、アテネ南西部の山林で7日に発生した山火事は一気に燃え広がり、オリーブ園や複数の建物が全焼したという。

消防局の広報担当は記者会見で、「アテネ南西部の山火事により、全焼した建物から高齢男性の遺体が発見された」と語った。

消防は全国で100件近くの山火事が発生し、その多くが延焼中と報告している。

出火原因は明らかになっていない。

観光地として知られるケファロニア島でも延焼中。地元メディアは数十人が避難したと伝えている。

気象台によると、アテネとその周辺地域では数ヶ月間ほとんど雨が降っていない。

ギリシャを含む南ヨーロッパは5月以来、記録的な熱波に見舞われ、多くの地域で気温が上昇。50度を超えた場所もある。

アテネの過去数週間の気温は30~40度で推移。最近は35度を下回るようになったが、雨はしばらく期待できそうにない。

ギリシャの山火事シーズンは6月から9月末頃まで続く。出火原因は落雷、たき火、キャンプファイヤー、花火、下草やゴミの焼却処理など。極度の高温と乾燥で自然発火することもある。

EUのデータによると、ギリシャの山火事被害は近年、悪化の一途をたどっている。21年には1300平方キロメートルが焼失。23年の焼失面積は1745平方キロメートルに達した。

23年に北部で発生した山火事は欧州史上最大級となり、数週間燃え続け、20人が死亡した。

アテネ東部で2018年に発生した山火事では100人以上が死亡。その一部は炎から逃れるために海に飛び込み、溺死した。

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