地球レベルの気候変動に苦しめられるグレート・バリア・リーフ

 大量の白化現象に見舞われているオーストラリアのグレート・バリア・リーフ。海水温度が上昇する2月になると、世界最大のサンゴ礁群のあちこちでこの現象が発生する。

 白化現象・・・高い海水温にさらされると、サンゴの体内から褐虫藻(かっちゅうそう)が失われ、死に至る現象。この状態のサンゴは白色に変色する。

 バリアリーフは、2016年と2017年にも白化現象の発生によって大量のサンゴが失われた。2,300kmにも及び巨大サンゴ群は、世界で最も重要な自然遺産のひとつとして保護活動が継続されており、ユネスコ世界自然遺産にも登録されている。

 バリアリーフを管理する海洋公園局が行った最新の航空調査により、白化現象の深刻さはエリアによって大きく異なることが判明した。これに対し地域の住民たちは、現地でしか確認できない多くのエリアが被害を受けていると訴えた。

 2016年と2017年の白化現象では、サンゴの個体数が激減。他の海洋生物にも甚大な影響を与えた。オーストラリアの主任科学者デビッド・ワッヘンフェルド氏は「温暖化を含む気候変動は、世界中の海に深刻かつ頻繁に被害を与えている。白化現象によって、多くのサンゴが死に至るだろう」とBBCに語った。

 また、ワッヘンフェルド氏は、北部と中央部の主要なサンゴ群の白化現象は少ない、と付け加えた。これはサンゴが回復する兆しにある結果だという。ただし、「今の気候変動が改善されず、数年後に同じ現象が発生すれば、さらに大きな被害をもたらすだろう」と警告した。

 産業革命以前と比較すると、地球全体の平均気温は約1℃上昇している。国連は、平均気温が1.5℃上昇すると、地球のサンゴの90%が一層される、21世紀の終わりにはこれが現実のものになるだろうと警告している。

 平均気温が上昇すれば海水温も上がる。海水温の上昇は生態圏に甚大な被害を与える。ホッキョクグマのような事例はもちろん、水の中で暮らす魚、プランクトン、目に見えないサイズの微粒子までもが影響を受け、結果、白化現象のような事態を招く。

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