パキスタン北西部に洪水警報発令、氷河湖が決壊する可能性も
パキスタンは気候変動の影響を受けやすい国のひとつである。北部の広大な氷河が溶けることで川の水位が上昇。雨季は温暖化の影響でより長く、より強力になった。
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パキスタンの気象台は26日、北西部カイバル・パクトゥンクワ州で大雨による洪水のリスクが高まっていると警告した。
それによると、同州では今後1週間さらに雨が降り、山間部の氷河湖が決壊する可能性もあるという。
国家防災管理局(NDMA)は同州の一部地域に洪水警報を出し、市民に警戒を呼びかけている。
カイバル・パクトゥンクワ州政府によると、アフガニスタン国境から数十キロの地点で土砂が道路に流入し、通行できなくなっているという。
救助隊が現場に派遣され、500人以上の観光客を避難させた。
当局は重機を投入し、土砂の除去と道路の復旧を進めている。
隣のギルギット・バルティスタン州でも土砂崩れや洪水が相次ぎ、中央政府が自治体を支援している。
シャリフ(Shehbaz Sharif)首相は25日、SNSに声明を投稿。ギルギット・バルティスタン州の被災地に数百のテント、数千の食料品パック、医薬品を提供し、さらなる支援を用意していると明らかにした。
ギルギット・バルティスタン州北部では21日、高速道路沿いで大規模な土砂崩れが発生し、複数の車が巻き込まれた。救助隊はこれまでに8人の遺体を収容し、行方不明になっている12人の捜索を続けている。
パキスタンの雨季は7月から9月末頃まで続く。
パキスタンは気候変動の影響を受けやすい国のひとつである。北部の広大な氷河が溶けることで川の水位が上昇。雨季は温暖化の影響でより長く、より強力になった。
NDMAによると、6月26日以降、大雨に関連する災害で250人近くが死亡、500人以上が負傷したという。
国土の3分の1が水没した2022年の大水害では1739人が死亡、200万戸以上の家屋が損壊した。