◎西ヨーロッパの一部地域では記録的な大雨が続いており、各地の主要河川で氾濫が発生した。
2021年7月15日/ドイツ、西部ラインラント・プファルツ州インズルのアー川(Michael Probst/AP通信)

現地メディアによると、ドイツやベルギーなどで大規模な洪水が発生し、これまでに50人以上の死亡を確認し、数十人が行方不明になっているという。

ドイツ西部では40人以上が死亡した。ベルギーでは少なくとも8人の死亡を確認し、東部リエージュ州リエージュ市の当局は全住民に避難を呼びかけた。

オランダも大きな被害を受けた。南部リンブルフ州では多くの介護施設と民家が浸水被害にあったと伝えられている。

西ヨーロッパの一部地域では記録的な大雨が続いており、各地の主要河川で氾濫が発生した。

米ジョー・バイデン大統領との会談に先立ちワシントンD.C.を訪れているアンゲラ・メルケル首相は犠牲者に哀悼の意を表し、政府の力を被災地に集結させると約束した。

メルケル首相によると、行方不明者と死者はさらに増える可能性が高いという。

ドイツ西部ノルトラインヴェストファーレン州の当局は、少なくとも30人の死亡を確認したと報告した。南部ラインラントプファルツ州の死者は15日正午の時点で19人と伝えられている。ベルギーのメディアは、これまでに少なくとも8人の死亡を確認したと報じた。

洪水の発生時刻は地域によって異なるが、15日の早い時間に発生したところが多いと伝えられている。

ドイツ西部の村シュールドでは多くの民家が崩壊し、数十人の安否が分かっていないという。

2021年7月15日/ドイツ、西部ラインラント・プファルツ州エルドルフ、多くの民家が浸水被害に(Harald Tittel/DPA通信社/AP通信)
2021年7月15日/ドイツ、西部ラインラント・プファルツ州シュールド、アー川の氾濫により町は土砂で覆いつくされた(Michael Probst/AP通信)

シュールドに住む両親を助けに来たというカール・ハインツ・グリム氏はAP通信の取材に対し、「小さなアー川の水量がここまで増えるとは思わなかった」と語った。

ラインラント・プファルツ州のマル・ドライヤー州首相は議会報告で、救助活動に全力を尽くすと述べた。「多くの人々が危機にさらされています...」

ヨーロッパに駐留している米軍基地によると、第52土木技師隊とシュパングダーレムの空軍基地から隊員が出動し、氾濫の恐れがある河川周辺の民家や施設を保護するために土嚢を積んだという。

ベルギーのリエージュではヴェスドル川が堤防を越えた。現地メディアによると、消防隊の救助ボートが転覆し、ボートに乗っていた高齢者3人が濁流に飲み込まれたという。

リエージュ市のフィリップ・ゴディン市長は15日にムーズ川が堤防を越えたため、周辺住民に高台に避難するよう命じた。リエージュ市の人口は約20万人。

ベルギー南部と東部では主要な高速道路に土砂が流れ込み、地域の鉄道はすべて運行を停止したと伝えられている。

欧州連合委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は15日、「ベルギー、ドイツ、ルクセンブルグ、オランダで発生した壊滅的な洪水の犠牲者とその家族に哀悼の意を表します」とツイートした。

ドイツで最も人口の多い州であるノルトラインヴェストファーレン州では救助活動中の消防士2人が死亡した。

ドイツの放送局SWRによると、非常事態宣言が発令されたアイフェル山岳地帯のシュルドベイアデナウ地区では、25戸の民家が洪水もしくは土砂崩れの影響で倒壊の危機に瀕しているという。

各州政府と気象当局の予報官によると、西ヨーロッパの大雨は16日の遅くまで続く可能性が高いという。

ドイツの次期首相候補であるノルトラインヴェストファーレン州のアルミン・ラシェット州首相は、今回の大雨を地球温暖化の影響と断言した。「私たちは何度も同じような自然災害に直面するでしょう。気候変動対策をさらに強化しなければなりません...」

2021年7月15日/ドイツ、西部ノルトライン=ヴェストファーレン州ハーゲンの様子(Martin Meissner/AP通信)
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