▽チドは14日にマヨット島を横断。数万棟の家屋が全壊・損壊したとみられる。
大型のサイクロン・チド(Chido)が上陸し、壊滅的な被害を受けたフランスの海外県マヨット島で行方不明者の捜索が続いている。
チドは14日にマヨット島を横断。数万棟の家屋が全壊・損壊したとみられる。フランス内務省は島民の7割が被害を受けたと推定している。
当局は21日時点で35人の死亡を確認したと報告。被害の全容は明らかになっていない。
地元当局は死者数を数百人、場合によって数千人に達する可能性があると警告している。
現地メディアによると、島のほぼ全域で停電と断水が続いているという。
島内の病院は負傷者だけでなく、脱水症状、栄養失調、その他疾患に苦しむ患者で溢れかえっている。
最大都市ザウジの主要病院で働く医師はAP通信の取材に対し、「病室の4割がサイクロンで破壊され、利用できなくなっている」と語った。
それによると、患者が多すぎるため、受け付けや通路にベッドを置いて対応しているという。
フランスの気象台はマヨット島の広い範囲で50~60メートルを超える暴風が観測されたと報告している。
マヨット島の人口は約32万人。フランスで最も貧しい県のひとつであり、島民の75%が貧困ライン以下での生活を余儀なくされ、失業率は30~35%で推移している。
アフリカ南東部・モザンビークでも暴風雨により40人以上が死亡。北部の2州で3万5千棟以上の家屋が全壊または損壊したと推定されている。